夏の新常識
「服」には、涼しさの知恵が詰まっている!?
伝統的な衣服の知恵×テクノロジーの融合で“着るほど涼しい”夏の新常識を提案します。
服で涼しく。
砂漠に暮らす民に学ぼう
灼熱に暮らす砂漠の民は、ゆったりした服で全身を包むことで直射日光から肌を守り、動くたびに風を起こして熱と汗を逃がす服を生み出しました。彼らにとって、服は炎天下を生き抜くための基本装備。「着る」ことで、暑さから身を守るという逆転の発想です。
高温多湿をしのぐ、
ニッポンの知恵
日本の浴衣や甚平にも、涼しさの知恵が詰まっています。袖や脇下、裾から風が通る構造で、吸汗・速乾性の高い麻や絽、ちぢみの生地は、汗をサッと乾かします。暑い日は衿を抜いて、涼と粋を演出したり…。夏の和服にも、暑さをしのぐ工夫が凝らされているのです。
長袖で涼をとる!?
素材選びが肝要
屋外で過ごすときは、直射日光と紫外線から肌を守り、体温上昇を抑える長袖がおすすめ。汗を吸収した生地が、水分蒸発の際に体熱を冷ましてくれるのです。ただし、効果を発揮するには〈吸汗・速乾性・通気性〉に優れた生地であることが大切。厚生労働省の「職場における熱中症予防対策マニュアル」でも、透湿性・通気性の高い服装の着用が推奨されています。
「汗と風」の冷却力を
備えたウエアが最強
このように涼を呼び込む服の条件とは、「汗と風」の冷却力を備えていること。汗が風で蒸発する際に、体熱を下げる冷却機能が発揮されるからです。それがよく体感できるのは、お風呂上がり。汗ばんだ肌で風にあたると、夏でもヒヤッとするほど涼しく感じます。つまり、「汗と風」の冷却力を最大限活用したウエアを着ることで、暑い夏をもっと涼しく乗り切ることができるのです。
コロナ禍の熱中症対策
熱、頭痛、倦怠感など症状が似ていて、判別が難しい新型コロナ感染症と熱中症。今年の夏は、状況に合わせたマスクの着用や、涼しく過ごすアイテムを使ってしっかりと暑さ対策しましょう。
生地温度
夏のウエア選びの新基準
〈フリーズテックの氷撃冷感プリント〉
夏のウエア選びで着目したいのが「生地温度」です。生地温度とは、肌が生地に触れているときの体感温度。最近、接触冷感の衣類が増えていますが、接触冷感機能のある衣類に〈氷撃冷感プリント〉加工を施した生地は、“冷感持続性”に優れています*1。
〈氷撃冷感プリント〉は、一般的な接触冷感生地から、更に-1.4℃の冷感を実現*2。エリスリトール、キシリトールを含有した特殊加工テクノロジーで、【汗の吸熱特性で生地温度低下】【風を受けるとさらに冷感が高まる】効果で涼を呼び込むことができるのです。
*1:冷感プリントが水分に反応している間
*2: 2016年1月7日実施、冷感プリントの涼感性能評価より。https://lidef.jp/freezetech/ 参照
暑さ対策とパフォーマンス
維持には「着る」トレ
スポーツ医科学の研究成果が教える驚きの新事実
スポーツ現場においては「アンダーウエア着⽤によってパフォーマンス低下を抑制する」との研究結果*1があり、肌着を〈脱ぐ〉ではなく〈着る〉ことが、熱中症対策やパフォーマンス低下の抑制につながります。
さらに、単に“着る”だけでなく、肌着やウエアがもつ「生地温度」に着目しましょう。厚生労働省の調査によると、死傷災害の中には熱中症発生時に通気性の悪い衣服を着用していた事例も見られました*。
通気性の悪い服は、首からの体温の放熱を妨げるなど深部体温を上昇させます。体温コントロールに役立つ「生地温度」に着目して、夏の肌着やウエア選びをすることが大切です。
*1.NPO法人コンディショニング科学研究所 笠原政志博士『氷撃の着用がランニング時の筋温および皮膚温に及ぼす影響』(2019)より
*厚生労働省「2020年 職場における熱中症による死傷災害の状況」2021年1月15日時点速報値
笠原 政志(かさはら まさし)
博士(体育学)
国際武道大学大学院
武道・スポーツ研究科 教授
NPO法人コンディショニング科学
研究所 理事
ハイパフォーマンスサポートとスポーツ傷害予防につなげるスポーツ医科学情報の発信をしつつ、小学生からトップアスリートまでのコンディショニングサポートを行っている。